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サイコンを連携したあと、どのライドなら CdA が出るのか

2026-10-27・羅譽寅(Lo U Ian)

サイコンを連携したあと、どのライドなら CdA が出るのか

Garmin の連携が始まってから、何人もの選手が次々とサイコンを連携しました。すると、同じ質問が届くようになりました。「連携したのに、どうして CdA が出ないんですか?」

たいていは壊れているのではなく、そのライドがもともと計算できないものです。サイコンは何でも送ってきますが、CdA の計算に本当に使えるライドは、みなさんが思っているより少ないのです。この記事では、どんなライドがスキップされるのか、それはなぜなのかをはっきりさせ、次のライドで CdA を出すにはどう走ればいいかもお伝えします。

CdA とは何か、なぜ長く追い続ける価値があるのかは「CdA(空気抵抗面積)とは何か」で書きました。この記事では「どのライドなら CdA が出るか」だけを扱います。

サイコンからアクティビティ 1 本第一関門ライド・屋外・パワー・体重第二関門切り分けて安定区間だけCdA誤差範囲つき1 つでも満たさない→ スキップ、理由を表示使える区間が少なすぎる→ 保存、低品質の印
1 本のアクティビティは、まず 2 つの関門を通ってから、あなたの CdA 分析に表示されます。

第一関門:このライドは計算できるか

アクティビティが届くと、システムはまず 4 つのことを見ます。1 つでも満たしていなければ、そのライドはそのままスキップされます。

  1. ライドかどうか。 トライアスリートのウォッチは何でも記録するので、ランもスイムも送られてきます。ランでもパワーは測れるので、システムはまず種目を確認し、ランのパワーがライドとして計算に入らないようにしています。
  2. 屋外かどうか。 ローラー台や Zwift には本物の空気抵抗がないので、出てきた数字に意味がありません。Zwift のファイルには仮想マップの GPS 座標が入っていて、屋外ライドによく似て見えるため、システムは別にチェックして弾いています。
  3. パワーがあるか。 CdA は「何ワット踏んで、どれだけの速さで走ったか」から逆算する数字です。パワーがなければ出発点がありません。
  4. アカウントに体重が入っているか。 登りでも加速・減速でも重さを使うので、アカウント設定に体重が入っていないと推定できません。バイク+機材重量もついでに入れておくと、より正確になります。

もう 1 つ、スキップの原因にはならないものの、見落としている人が多い欄があります。アカウント設定の乗車ポジションです。ライドはどれも、そのとき入力されていたポジションの下に記録されます。トライアスロンバイクとロードバイクでは CdA が大きく違うので、システムは両者を混ぜて計算しません。別のバイクに乗る前に、先に変えておいてください。

第二関門:1 本のライドのうち、どの区間が使えるか

第一関門を通ると、システムはライド全体を細かい区間に切り分けて 1 つずつ調べ、「安定した」区間だけを残します。速度が十分に出ていて上下にぶれない、踏み続けている、道が平ら、カーブを曲がっていない、横風も強すぎない、という区間です。

なぜここまで選ぶのか。区間ごとに 1 本の式を解く必要があるからです。踏み込んだ力は、登坂、転がり抵抗、空気抵抗、加速の 4 つを足したものに等しい、という式です。ブレーキ、コーナリング、信号からの発進、上ったり下ったりする坂は、どれも式の中に測れない力を 1 つ増やし、出てくる CdA がゆがみます。ゆがんだ区間を使うくらいなら、使う区間が少ないほうがましです。

使える区間が十分にないと、数字は出ません。少ししか見つからなかったライドも保存はしますが、低品質の印を付けて、長期の収束値の計算には使いません。

ですから、アカウント設定でスキップと表示されたり、低品質の印が付いたりした屋外ライドは、たいてい市街地で信号に止められ続けたか、ずっと山の中を上り下りしていたものです。ファイルは壊れていません。使える区間が十分に見つからなかっただけです。

市街地:信号だらけ使える区間はわずか平坦路:20 分以上安定走行ほとんど使える背景色=使える区間模式図・横軸は時間、線は速度
同じように 1 時間あまり走っても、市街地のストップ&ゴーでは使える区間がわずかです。平坦路を安定して走れば、ほとんどの区間が使えます。

どう走れば、次のライドで CdA が出るか

CdA を測るためにわざわざ出かける必要はありません。いつものロング走のメニューの中に、次のことができている区間が 1 つあれば十分です。

  • 平坦な道を見つけて、20 分以上止まらずに走り続ける。 河川敷、海沿いの道、信号のない農道などがおすすめです。3 時間走っても、2 km ごとに信号で止まっていたら、かえって計算できません。
  • レースのポジションで、一定に踏む。 強く踏む必要はありませんが、もがいたり惰性で流したりを繰り返さないこと。
  • ひとりで走り、ドラフティングしない。 人の後ろにつくと空気抵抗が 2〜3 割減り、CdA は不自然に低く出ます。集団走行のファイルも計算はしますが、その数字は参考程度にしかなりません。
  • 同じ区間を往復できればなおよい。 行きは向かい風、帰りは追い風。同じ道を往復すると、勾配と風の誤差が打ち消し合いやすくなります。
  • 出かける前にパワーメーターのゼロ校正をして、アカウント設定の「タイヤと路面」を正しく選ぶ。 パワーがずれれば CdA もずれます。路面の選択を間違えると、転がり抵抗の計算が狂います。
同じ区間行き:向かい風高めに出る帰り:追い風低めに出る低め高め平均をとる風と勾配の誤差が打ち消し合う
同じ区間を往復すると、向かい風の行きは高め、追い風の帰りは低めに出ます。ペアにすれば、誤差は打ち消し合います。

風については、風のある日をわざわざ避ける必要はありません。システムは走ったその時刻、その場所の天気を取得し、風の影響を差し引きます。本当に厄介なのは突風が不規則に吹く天気で、そういう日のライドは誤差範囲が広めに出ます。

算出されたあと、この数字をどう見るか

ライドごとに CdA が 1 つ出て、誤差範囲が付きます。範囲が狭ければ、そのライドは使える区間が多く、区間どうしの数字もそろっているということです。範囲が広ければ、その日の風が乱れていたか、使える区間が少なかったということです。

単発の数字はもともとばらつきます。私自身、今年の春に同じトライアスロンバイクで走ったトレーニングファイル 5 本では、最高値が最低値より 3 割以上高くなりました(「CdA はいくつなら良いのか」を参照)。ですから、1 本だけ見て結論を出さないでください。

無料アカウントでは直近 5 本の単発値が見られ、ライドはすべて保存されます。CdA Pro はすべてのライドをまとめて 1 つの収束値を出し、本数が増えるほど誤差範囲は狭くなります。ドラフティング、ポジションの崩れ、ポジション欄の選び間違いなど、ふだんとかけ離れたライドにも自動で印が付きます。

よくあるケース

連携する前のライドも入りますか? メーカーによります。Wahoo、Hammerhead、COROS は連携した時点で、最近のライドもまとめて取り込みます。Garmin は連携後の新しいアクティビティしか送ってこないので、それ以前のものは取り込めません。必要なら Garmin Connect から FIT ファイルを書き出して、CdA 分析で自分でアップロードしてください。

走り終えてどのくらいで表示されますか? ほとんどのサイコンは、走り終えてスマートフォンのアプリに同期すれば、すぐに入ってきます。COROS はシステムが定期的に取りに行くのを待つので、少し遅れます。CdA 分析ページを開いたときにも、ついでに 1 回確認します。

サイコンとウォッチの両方で同じライドを記録したら? 計算は 1 回だけです。もう 1 件には「このライドは別のデバイスの記録が既にある」という表示が付きます。

スキップされた理由はどこで見られますか? アカウント設定の「サイコン自動同期」の下に、直近のアクティビティの処理結果が並んでいて、スキップされたものには理由が書いてあります。

連携したのにまだ数字が出なくても、慌てて連携し直さないでください。屋外で、パワーがあって、平坦な区間を一定に走ったライドが次にあれば、その数字は CdA 分析に表示されます。

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